お葬式をご存じですか?
男女比は、男性26%、女性72%、不詳2%相談者の地域は、東京26.5%で、神奈川、千葉、埼玉、北海道、愛知、福岡、群馬、茨城、大阪がベスト10だが、その他広範囲からの相談があった。
地方新聞が紹介してくれたことや、フリーダイヤルを採用したことで、遠隔地からの相談が多かったことが、この数字に表れている。
相談者の年齢は、70代31%、60代30%、50代20%、以下40代、80代、30代と続くが、20歳代の相談者が実数で2名あった。
通話時間は、10分以内52.8%、20分以内27.8%、30分以上2.5%。
ちなみに、この1か月間の通話料は10万4391円であった。
1か月が終了した時点で、継続のあり方について議論の末、現在は月曜日から金曜日の10時〜18時に電話相談をしている。
しかし、人知れず死を迎える人は、確実に増加している。
当然のことである。
「個」を主張し、個性的で自立的な暮らし方を善として、戦後の日本社会は再構築されてきた。
国勢調査(2000年)によれば、老人世帯(65歳以上の人だけで世帯を構成している)が全国平均で17.0%、東京都では15.8%である。
東京の場合、そのなかでも老人の単身世帯28.4%、老老世帯28.8%、つまり老人世帯のうち約60%の高齢者が若年者と別のだろう。
一人で死んだらどうなる?人知れず死んだらどうしよう、そんな心配をされる方がいる。
私の答えは決まっている。
人知れず死ぬことが、そんなに不幸なことか。
死ぬほど身体的なダメージを負っているとき、人なんかいない方がよい。
これは私自身生死の境をさまよったという体験に基づいているので、自信を持ってこのように答えられる。
人知れず死ぬことが不幸で、大勢の人々に見守られて死ぬことが幸せだ、という思い込み自体が間違いではないか。
といっても、古今東西、一旦死んだ人がこの世に戻ってきたというケースは皆無。
よって実証的な結論はでないので、永遠のナゾということになるのだが。
一方、一人暮らしでも、24時間の生活すべてを監視(チェック)するサービスを提供している会社もある。
自治体で、水道メーターが24時間動かなければ様子を見に行くとか、一週間に一度安否確認の電話をしてくれるところもある。
「金に糸目をつけない」と同時に「プライバシーが守られなくてもよい」、この2つを容認し選択すれば、かなりのことが可能である。
同じ部屋のとなりの布団に寝ていながら、死の瞬間に気づかないというのも、呼吸などのセンサーを設置してあれば、情報センターで感知し、それをとなりで眠っている人にけたたましい音色の電話で知らせたり、他の場所にいる誰かに伝えることなど簡単にできる。
したがって人知れず死を迎えるのは当然のことで、これを不幸だとか、哀れだ、悲しいことだ、というような発想では、21世紀という時代を生きることも死ぬこともできなくなる。
家族(夫婦)が同じ部屋で寝ていても、いつ死んだのか気づかず、朝目覚めて声をかけたら亡くなっていた。
これはもやいの会会員の実話であるが、これに似たケースはたくさんある。
遺体の行方「多くの方は病院で亡くなりますよね。
ご遺体はどちらへ搬送し、安置されますか?」とアドバイザー。
「エッ!」と一瞬ことばに詰まる方が多い。
生前契約の個人面談でのひとコマである。
一昔前まで、「人は死ねば自宅へ戻る」が当然であり、今日でも多くの場合は自宅へ戻る。
しかし、生前契約をされた上、亡くなった方(8年間で約70名)の半数は、病院の霊安室または清拭などをした処置室から、火葬場などの遺体保管庫へ霊柩車で直接搬送されている。
心情としては、圧倒的多数の人々は、「死後は自宅に戻りたい」と考えている。
しかし、それを許さない現実的障害がいろいろとある。
自宅を引き払い、病院や施設を生活の場としているケース。
もっとも、トイレや風呂を使っている状態、さらに恋人が訪問してきたことも、すべて画像と音声で感知されることになる。
不自由な暮らし方の代償を払ってでも、死の瞬間を看取ってもらうことに価値を見出すのかどうかは個人の選択である。
長期入院などで、回復の見込みのない場合、病院が終の住処とならざるを得ない。
もちろん、家族があれば入退院の繰り返しなどのプロセスを経て、自宅に戻る可能性がないわけではないが、老老または単身世帯の場合、自宅を維持するという選択はむずかしい。
老人ホームなどに入所しているケース特別養護老人ホームなどの入所者の平均年齢は高く、平均寿命を超え、いつ死が訪れても不思議ではない状況の中では、遺体となってのホームへの帰還は、他の入所者への配慮から、拒否されることが多い。
ただし最近では、「死」に対する意識変革もあって、お互いに死を受容し、肉親の縁の薄かった境遇の者どうしで最後の別離の宴を催すことで、残された「生」をより豊かに感じ取る機会にしようという意図から、遺体がホームに戻ることを許容する施設も徐々に増えている。
近隣への気遣いなど、残された家族への配慮から、帰宅を自ら拒絶するケースこんな事例が生前契約の利用者にあった。
首都圏のS市に住んでいたBさん65歳は、末期ガンの宣告を受け、余命の少ないことを知らされた。
Bさんは自宅を処分し、そのお金を嫁いだ娘に贈与して、娘夫婦は都内に居宅を求めた。
新居にはBさんの居住部分が用意されていたが、その新居で1日も暮らすことなく、彼女は逝った。
死の直前、病床で生前契約をした。
Bさんが一番こだわったのは、遺体を新居に搬送しないことと、赤か紫色の花を飾ってほしいという点であった。
娘一家の新居での暮らしが始まり、近隣との交際もスタートした矢先に葬儀を出すことで、近隣に迷惑をかけてはならない、という強い思いであった。
郊外の住宅地での慣習では、近隣で葬儀があったら、それに無関心ではいられないのである。
そこで、Bさんの家族親族15名程度で、死んだ夜をなごやかに過ごせる場所はないか、との要望に応えるため、スタッフが奔走した結果、なんとか理想的な会場を探し出した。
宗教儀礼も祭壇もないが、契約で指定されていた好きな花をアレンジした超シンプルなディスプレイによって、Bさん本人の兄弟姉妹と子ども孫など一6名による「夜伽」(夜を通して死者とともにすごす、いわゆる通夜)をして、翌日火葬場で茶毘に付した。
Bさんと同じ思いを持つ人々は増えている。
世間では、本人の意思より、残された家族の選択により自宅に戻れない場合が多いが。
建物の構造など、物理的事情によるケースマンション住まいが当たり前の時代になると、エレベーターの構造により、現実問題として自宅に戻れないケースもある。
もちろん、マンションの場合、近隣との関係も含めて選択される場合が多い。
のケースで、葬儀社などのいわゆる葬斎場は花盛りなのに、葬儀をする場所探しに苦労するというのは、合点がいかないかもしれない。
しかし、あとで述べる「葬儀をしない葬儀」を求める人には、現存する葬斎場は不向きである。
数十万円、否、数百万円という葬儀を受注するために、業者は多額な投資をして付加価値をつけ、絢燭豪華な葬斎場を準備しているのに、何もいらない金をかけない葬儀が歓迎されるわけはない。
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